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美濃焼に使われる釉薬と色の魅力|志野・織部・黄瀬戸が生み出す表情

美濃焼(みのやき)アクセサリーの大きな魅力のひとつが「釉薬(ゆうやく)」による色と質感の多彩さです。陶器にかけられるガラス質の膜である釉薬は、作品を保護するだけでなく、独特の美しい発色を生み出します。この記事では、美濃焼に使われる代表的な釉薬の特徴と、アクセサリーにどのように活かされているのかを解説します。


釉薬とは何か

釉薬とは、陶器の表面を覆うガラス質の層のことです。主に長石や石灰、木灰などの自然素材を原料とし、焼成時に溶けて陶器をコーティングします。

釉薬の役割

  • 保護:水や汚れを防ぎ、陶器を丈夫にする
  • 装飾:色や光沢を与え、個性を表現する
  • 質感:マット調やツヤ感など、手触りを変える

美濃焼では、釉薬の組み合わせや焼き方によって無限のバリエーションが生まれます。


美濃焼を代表する釉薬と色

美濃焼には数多くの釉薬がありますが、アクセサリーに特によく使われるのが「志野」「織部」「黄瀬戸」です。

志野(しの)

志野焼に使われる釉薬は、乳白色から淡い橙色までの柔らかな色合いが特徴です。表面には「柿渋」のような鉄斑が現れることもあり、自然で温かみのある風合いが魅力です。

アクセサリーとしては、優しい白が肌に馴染み、フォーマルにもカジュアルにも合わせやすい万能カラーとして人気です。

織部(おりべ)

織部焼は、深緑色の釉薬が特徴です。安土桃山時代に生まれ、斬新で大胆なデザインとともに広まりました。緑釉の濃淡や流れ具合は一つひとつ異なり、強い個性を放ちます。

アクセサリーにすると、存在感がありながらも落ち着いた印象を与え、特にシンプルな服装のアクセントに最適です。

黄瀬戸(きせと)

黄瀬戸は、黄金色や黄褐色を帯びた釉薬で、上品で温かみのある色合いが特徴です。光の当たり方で微妙に色が変化し、落ち着いた華やかさを演出します。

アクセサリーでは、肌を明るく見せる効果があり、特に秋冬のコーディネートにおすすめです。


焼成によって生まれる表情の違い

同じ釉薬を使っても、焼成条件によって仕上がりは大きく異なります。

酸化焼成と還元焼成

酸素を多く含む「酸化焼成」では鮮やかで安定した色合いになり、酸素を制限する「還元焼成」では深みのある色合いが出ます。織部の緑や志野の白も、この違いで印象が変わります。

窯変(ようへん)

窯の中で予期せぬ色や模様が現れる「窯変」も、美濃焼の魅力のひとつです。これにより、まさに一点ものの表情が生まれます。


釉薬とアクセサリーデザインの相性

美濃焼アクセサリーでは、釉薬の特徴を活かしたデザインが多く見られます。

志野 × シンプルデザイン

柔らかい白が特徴の志野は、ミニマルなデザインのピアスやネックレスに使われることが多く、清楚で上品な印象を与えます。

織部 × 存在感あるアイテム

深緑の織部は、リングや大ぶりのイヤリングに使われ、コーディネートの主役になります。

黄瀬戸 × フォーマルシーン

黄瀬戸の落ち着いた黄金色は、ブローチや帯留めに用いられることが多く、和装や特別な日の装いに華を添えます。


まとめ

美濃焼に使われる釉薬は、志野・織部・黄瀬戸をはじめ、焼成の偶然性や職人の工夫によって多彩な表情を見せます。アクセサリーに取り入れることで、陶器ならではの温かみと個性が輝き、日常の装いに特別感を与えてくれます。ぜひ釉薬の魅力を知りながら、お気に入りの一点を探してみてください。

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